いかがでしたでしょうか。
あまりの捏造っぷりにあきれた方もいらっしゃるのではと思いつつ、書いた私はとても楽しんで書きました。

実のところ、私はシンフォニアはまだクリアしていません。
今ちょうどプレイ中ですが、この話はゲームに全くさわっていない時に考えたものです。


旅先で友人が5時間にわたり、ゼロスというキャラがいかにゆがんだ性格の持ち主かということを話してくれました。
確か友人の表現によると、 螺旋階段が複雑骨折してばらばらになったそれを逆向きの螺旋にくみ上げたような、とのこと。
で、なぜそんなふうに育ってしまったのかということで、彼の生い立ちを語ってくれたのです。
その後二人で、わずかな設定から彼の背景を推測し続け、それを形にしたのがこの四部作ということになります。

一応わかっている設定は尊重したつもりですが、
イメージ優先で書いているため、おかしいなと思われるところもあるかもしれません。
まあ、そこは、酔狂な輩のお遊びということでお目こぼし下さいませ。

 

以下後書きと言い訳

第一章 光さす庭 →  もう一度読む

第二章 トロイメライ →  もう一度読む

第三章 雪と思い出 →  もう一度読む

第四章 螺旋 →  もう一度読む

 

 

 

第一章 光さす庭


タイトルは、アニメ少女革命ウテナの中で、双子の男の子と女の子が弾いていたピアノ曲から。

第一章はゼロス母、ミレーヌさん話。

この話を書く上で一番重視したのは、ゼロスはお母さんのことが好きだったということ。
お母さんは死の瞬間まではゼロスを可愛がっていたと、そう考えました。
お母さんがゼロスを嫌って遠ざけていたなら、母親の死が彼に大きな影響を与えることはないだろうなと思ったからです。
大好きなお母さんの言葉だからこそ、彼の受けた衝撃が大きかったのでしょう。

なので、ゼロスにとっては優しい母というその幸せな記憶の部分の話。

ただ、優しい母の部分だけを外に出していたのかどうかということは少し迷いました。
使用人や他の貴族から見ても、ただの穏やかな普通の女性だったのか、それとも、いらだちや無念を外に出したのか。
どっちにしたのかは、話の通りです。
ゼロスのお母さんはごく一般の人だったということだったので、神託によって選ばれたという名誉だけでは生きていけなかっただろうなと、
贅沢な暮らしだけでは満たされなかったろうなと思いましたので。

ミレーヌさんには想い合った男性がいたとのことですが、その人と関係を続けるのは難しいのではないかと思います。
身分違いの結婚の場合、下の身分の方が弱い立場にあるのは当然ですから、
ゼロス父がミレーヌさんの生活に干渉しなかったとしても、ミレーヌさんが他の男性と会うのは回りが許さないでしょう。
ミレーヌさんは、豪華な屋敷で贅沢に囲まれていたけれど、たった一人だった。

そういう設定のお話です。

 

 

第二章 トロイメライ

タイトルはシューマンのピアノ曲から。曲の雰囲気より子供のために作られたというとこから使いました。
本当は「北の宿から」(都はるみの演歌)の方が内容的にはぴったりですが(笑)
愛する人のため着てもらうあてのないセーターを涙こらえて編んでいるというその歌詞がどんぴしゃ。

そんな演歌調の第二章はセレス母のお話。

ゼロス父の愛人という立場で、神子ゼロスの暗殺とたくらむという人がどんな状況にあったのか。
ヒントにしたのはセレスがお兄様を慕っているということです。
実の母の死の原因となったゼロスをセレスは恨む様子がなく、幼いとき一緒に遊んでもらった記憶もあるということなので、
そこから、セレスはワイルダー家本宅に引き取られ、しばらくゼロスと一緒に成長したという設定にしました。
男の子ならまた違ったかもしれませんが、女の子なら政略結婚にも使えるので、そうなったんじゃないかなあと。

セレス母も本宅にいて、ゼロス母の方が日陰者という状況も考えられるのですが、
そうなると、ゼロスとセレスが一緒に遊び、セレスがゼロスを慕うというのは難しいかなと。
セレス母には相当対抗意識があるでしょうし、ゼロスとその母の悪口を娘に吹き込まないとは考えにくい。

それに、セレス母が実質的な妻、ワイルダー家の女主人のような、日なたの状況にいることが許されたなら、
神子の暗殺なんて極端なことに走る必要はないわけで。
わざわざそんなことしなくても、充分いろいろ持っているのですからね。
まあ、持っているものだけでは満足できなくて、さらに何もかもを望むような野心満々な女性ということも考えられなくはないのですが、
そうなると、やっぱりセレスに母の影響が少ないのがおかしくなっちゃうので。
そんな強烈なお母さんなら、何かしらセレスにも残るでしょう。

なので、セレス母は別宅を与えられ、ゼロス父が通っていたという設定になっています。
セレス母の身分もあまり高くはなかったと考えています。
同じくらいの大貴族なら、いくら相手が神子とはいえ、いつまでも結婚もしないで愛人でいるなんて、
名誉と体面を重んじる貴族にはありえないかなと。

もし、大貴族の女性だったなら、もう社交界にも出られなくて、余計に孤独で思い詰めることになるのかしら。
それはそれで、おもしろい話になるかもしれませんね。

 

 

第三章 雪と思い出

アトリエシリーズボーカルアルバムに収録された曲からもらったタイトルですが、曲のイメージは特に話に影響していません。

再びゼロス母話。
雪の思い出が悲しいものだけではないといいなと、そんな思いもこめた話。
文字色をここで赤にするかどうか迷いましたが、思い出の大きさを考えて青でいきました。

問題の「生まなければよかった」発言ですが、
第一章にも書いたように、お母さんは普段それを息子にぶつけるような真似はしていなかったと思っています。
広い屋敷で大勢の使用人に囲まれても、たった一人のミレーヌさんにとっては、
ゼロスだけが孤独を癒してくれる存在だったと考えていますので。

ミレーヌさんは、普通に自分と血のつながった息子を愛していたと思います。

ただ、いよいよ死ぬとなったときには、息子への愛情よりも、
これまでの無念と死への恐怖の方が一瞬、勝ってしまったのじゃないかと、
そういう話です。

雪ウサギに関しては、テセアラにあるかどうかわかりませんが、畳もあることだし、まあいいじゃないですか(笑)

ミレーヌさんは一般庶民という設定にしていますので、雪遊びは子供の頃普通にしただろうなと思いまして、
雪ウサギにご登場願いました。
雪だるまだと、一人で作るのは寂しいと思ったのです。

 

 

第四章 螺旋

第四章のタイトルは曲ではなく、最初にも書いた友人の言葉から。
ゆがみまくっている親子のDNAの螺旋構造もかけていたりします。

最後はゼロス父話。
ゼロス母やセレス母以上に何の設定もなく、何もわからない父なので、本当に好き勝手書きました。

ゲーム中に全く出てこないということなので、もう亡くなっているのだろうとこんな話に。
どっかに隠居しているということも考えられるのですが、
ゼロスはお父さんを相当嫌っているらしいと聞きまして、お父さんはものすごい逃げをうったのではないかと考えたのです。

逃げの手段が拳銃なのは、
やっぱ貴族なら拳銃だろうという、勝手な私のイメージによります。
剣と魔法のファンタジーなのに、拳銃ってどうなのよ、と思われた方は適当な手段に置き換えて下さい。

 

以上のように、基本的に全編イメージだけで好き放題やりたい放題した話です。
やりすぎて、皆様の反応が気になりますので、 感想などいただければ、飛び上がって喜びます。

楽しんで頂けたなら幸いですが。長々と読んで下さってありがとうございました。

 

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