無人惑星サヴァイヴ感想

第四話 わたしたち、どうなっちゃうの!?

 さて、またやってきました「独断と偏見に基づいて全てを決めつけ、好き勝手に文句を言う」このコーナー。好き勝手言い過ぎて、読んで下さった方が気分を悪くなさっているんじゃないか少々心配になってきました。今回はつっこみどころが少ないのですが、思いつくまま書いたらだらだら長く……。

 前回から海蛇登場で大ピンチ。この海蛇すごいとこに歯がついてますね。飲み込むときに締め付けてすりつぶしながら胃へ送り込むのかなとか考えたら、ちょっとぞっとしました。

 そんな不気味な海蛇にパニックになったハワードがレーザーガンを連発する中、冷静に島とシャトルの距離を測るメノリ。
 恐怖でわけがわからなくなっているハワードに戻るよう指示するメノリ。
 海蛇が突っ込んでくる前にいち早く水に飛びこむメノリ。
 初めて泳ぐ海で着衣のまま華麗な抜き手を見せるメノリ。
 オールにつかまってシャトルにあがり息を切らせながらも美しいメノリ。
 あーメノリいいなあ。美人だなあ。うっとり。と、ずっとメノリしか見てなかったです。

 せっかくなので、他のメンバーも見てみました。
 海蛇の危険を二人に知らせようとルナ達が声をはりあげる中、あさってを見ているカオル。多分、ボートより海蛇の動きの方を追っていたのでしょうが、視線があまりにもあさってなのでなんだかおかしいです。そもそも海蛇をみつけたのは彼なのに、二人を呼び戻すことはしないのね。
 海蛇が顔を見せたとき、他の4人が相当驚いた顔をしているのに、カオルはそれほどでもないです。カオルも相当びっくりしているのでしょうけど、多分顔に出ないのですね。その前にあさって見ていることもあって、なんだか冷たい人のようだ(笑)。彼の体の中で表情筋だけが貧弱な様子を想像するととってもおかしい。
 みんなは避難して、私は二人の上陸を手伝うと、ルナのリーダーシップが発揮されるシーン。危険に直面しているときに、次にどうするかを判断した上でみんなに指示もしくは提案ができるというのは、立派だと素直に感心します。危機に直面したときに人はたいてい回りの人の状況を見てから動くので、手遅れになることがままあると昨日見たテレビでやっていたのですが、それを考えると、メノリといいルナといい、非常にたくましいということがわかります。惚れてしまうわ。

 さて、ここでのもう一つのチェックポイントは、ベルの「俺も手伝う」という言葉。
 彼の活躍といえば、後で出てくる力仕事と船内での海蛇との死闘が先に出てくるのですが、ここで彼はすでにちゃんと意思表示をしていたのですね。しっかり目も開いているし(笑)、彼の変化が表に出始めるシーンです。思い出してみればベルが最初に自分の意見や意志を示すのは、避難シャトルの操縦をルナにまかせるしかないなということになったとき「俺もそう思う」って言ったところですね。その時はハワードににらまれてうつむいてしまうのですが、ここではきりりと男前。ベルが着実に成長していることがわかります。

 そして何も言わないカオル。後半の彼はこうするぞと、いち早く判断して回りに指示を飛ばすのですが、このころは本当に自分からは動きませんね。判断が早いのはこのころも同じなのでしょうが、自分はここまでしかしないっていう線が彼の中ではっきりしているのでしょう。ここまでしかしちゃいけない、かもしれませんね。自分が出しゃばらなければあいつは死ななかったと、そうカオルは思っているのでしょうから。

 シャトルに泳ぎついたあと、ベルに受け止めてもらうハワードがおもしろい顔してます。受け止められる様子もくにゃりとしてておかしいし、ハワードの今後の役所がこれで決まったという感じ(笑)。学園ではわがままでいじわるで偉そうなお坊ちゃんだったのに、それにへたれという称号がはっきりと加わってしまいました。しかもへたれと書かれたラベルが一番大きく胸にはってある感じ。
 一話を見たときは、ルナやメノリと対立していくのかと思っていたのですが、対立しようにもへたれすぎて勝負にならないとは……。ライバルじゃなくてお荷物でした。
 子分であるベルも独立しちゃうので、やっぱり対立は無理ですね。もししていたらひどく孤立することになったんだろうなあ。実際家出はしますしね。

 とりあえず海蛇が去った後、まずは上陸、そして水と食料の確保だと次にどう動くかを示すメノリとルナ。満ち潮にのれば島にいけるだろうと具体案を出すシンゴ。いいチームだね。
 なんかいい手はないのかとシンゴに頼っておきながら、その提案にはそんなの無理だと文句をいうハワード。初めて見たときはあきれてた彼の行動も、今見るといちいちかわいいよ。
 満ち潮を待つ船内は太陽に照りつけられてものすごく暑い様子。何しろ亀裂こそあるものの、宇宙船だから密閉構造で窓は開かないし、空調システムもいかれてるわけですから、まさにサウナ状態。何時間くらい待ったのかわかりませんが、コロニーで快適温度と湿度しか体験したことのない彼らには、相当の試練ですね。
 でも、汗のしたたるカオルのあごにはおもわず笑ってしまいました。カオルってばこのころはお色気まで担当してたのね(笑)。本当に活躍してたんだねえ、最初から。なのに全然覚えてない自分が不思議。その後のメノリは覚えているもんなあ。水が無くなって困るのは自分だけだとハワードに言うときの、汗のにじむ美麗なアップは。
 暑いのにちゃんと潮の様子を見ているシンゴは本当に偉いね。
 潮が満ちた後、シャトルから一番最初に出てくるのがルナ。勇ましい。
 その後みんなでシャトルを押すのですが、これがみんなでやる初仕事ということになるのかな。サヴァイヴはこうしたみんなで動くエピソードは全部好きです。どの作業のときもそれぞれの性格が出ていて、微笑ましかったりおかしかったりしたので。
 このときはやはりベルですね。真ん中でやってみていいかなと、自分から言い出して頑張る。シャトルが切り離されてからずっと、ルナやメノリそれからシンゴが、それぞれ自分にできることを率先してやっている姿に、俺も自分にできることはしなくちゃって思ったのでしょうね。誰かに命令されて従うのではなくて、自分から動かなくてはと。ああ、ベルも好き。

 せっかくベルががんばっているのに再登場の海蛇。みんなが避難する中立ち向かうハワード。

 こう書くとなんかかっこいいな。
 でも、要するにのどもと過ぎれば熱さ忘れるってやつですね。ハワードはこの後もずっとそうだ。もう愛おしくてたまらないよ。やっぱりレーザーガンはちっとも当たらないしね。
 で、そんなお馬鹿なハワードの言動に散々気分を害していたらしいにもかかわらず、彼を助けてくれるカオル。ハワードの首根っこつかんで投げ飛ばし、華麗なジャンプで海蛇のアタックをかわす。彼の運動能力がずばぬけて高いことがよくわかるシーン。ハッチに向かって走りながらルナに「行け!」って声かけるし、カオルは決して自分勝手でも独りよがりでもないってことがよくわかりますね。
 ハワードがシャトルに入っていくのを手助けしてあげるベルにも、初めて気づきました。

 サヴァイヴって、設定は陳腐(失礼)でいろいろ突っ込みどころは満載なんですが、そういうさりげない描写でキャラの性格とか心理とか関係とかを表現してくれるので、つい何回も見てしまうんですよねえ。まあ私の場合、一回目はずっと美少女を追ってしまうから、何度も見ないと話すらわからんということもあるのですが。

 なおも続く海蛇の攻撃。ベルの背に隠れ続けるハワードがかわいい。
 悲鳴をあげたシャアラをとっさに背中にかばうルナと比べると、もうなんと言えばいいのやら。
 ルナが男前すぎるってのもありますが。ルナは守ってあげなくちゃいけない人がいると、余計に強くなれる子ですね。東の森でハワードを助ける話でも強い強い(投げ縄の回です)。カオルと二人のときとかだと、強いって印象がうすれちゃうのは、かばう守るって雰囲気が弱くなるからでしょうね。別に守ってもらってばかりというわけじゃないですけど、守らなくちゃっていう気負いがなくなるからかな。
 ハワードはへたれなだけならまだ害がないのに、迷惑属性までもっているので、事態を悪化させます。メノリの制止も聞かずにレーザーガンを打って、亀裂を広げて海蛇を船内にご招待。
 メノリよくよけられたね。
 しかし流石のメノリも堪忍袋の緒が切れて、ハワードを平手打ち。
 それでも反省しないで言い返すハワード。彼はこの後もずっと謝りませんよね。初めて謝るのは多分捕まったときかな。
 海蛇のせいで傾く船内で、最初に耐えられなくなって滑り落ちるシャアラをとっさにつかんで止めた上、スライディングで海蛇をかわして倉庫へ逃げ込むルナ。すっかりヒーローとヒロイン。
 それでもピンチが続くルナ達を今度はベルが助けに入ります。蹴り飛ばすのはいいけど、目玉がくっついていたルナ達は、大丈夫だったのかしらと余計な心配をする間もなく今度はベルが大ピンチ。海蛇と力比べで持ちこたえるベルに感心するより、あの舌が気持ち悪い。ぬるぬるしてるのかざらざらしているのか知りませんけど、とりあえず見た目が気持ち悪い。
 カオルのナイフ投げでベルは解放されるわけですが、あの舌に巻かれたままベルが海に引きずり込まれなくて良かった。もう本当によかった。
 あの状況だとベルにあたる可能性も大だったのに、しっかり海蛇の目にナイフを投げつけるカオルは本当にどういう育ちをしているのですか。一撃で確実にダメージを与えられる目をねらうその判断力といい、どういう訓練を受けてきたのか。船が大きくゆれたせいで一瞬浮いたにもかかわらず、みんながあちこちぶつけて痛がってる中、一人だけちゃんと立ってるし、その後海蛇が再び攻撃してくる気配も察するし、もうなんなのこの子。

 カオルの過去の詮索はともかく、海蛇のおかげで島にたどりつく彼ら。
 上陸は危険だから今夜はシャトル泊まりで、シャトルはちゃんと固定しなければならない、食糧の確保はいつになるかわからないからちゃんと考えるように等、次々指示を飛ばすメノリ萌え。でもこのころのメノリはやっぱり作業しないのですね。「ハッチを元にもどすんだ!」と言ったときも、「あの化け物は?」と尋ねたときも、自分では動かなかった。シャトル引っぱるのも、やはり指図だけだったみたい。シャトルを押すときは一緒にしていましたが、ロープをひっぱるとなれば、指が傷ついてしまいますものね。
 夕日を見てなごんで就寝したのに、またなんだか怪しげな足音がして次回へ続く。
 ちゃんとそれに気づいたのはルナとカオル。このころからすでに戦闘カップルなのね。

 初めて見たときは、この回、いきなりのベルの成長にびっくりでしたが、改めてみるとそうでもありませんでした。「俺もその(操縦はルナにまかせる)ほうがいいと思う」→「俺も手伝う」→「真ん中でやってもいいかな」→海蛇との戦いと、段階踏んで丁寧に描かれているのに気づいたからですね。それ以外にも、ハワードがシャトルに逃げ込むとき手伝ったり、海蛇を撃退した後倉庫から出てくるシャアラをいたわったり、海蛇が再び襲ってくるのに備えてカオルと二人で待ちかまえたりと、回りを気遣う余裕が出てきている姿もたくさんありました。
 ベルの成長については全話制覇四話の後書きに長々書いたのでここでは省略しますが、やっぱりこの第四話はベルのための回だったのだなと思いました。

第三話へ第五話へ