プレイ記録 譲 十六夜ルート 〜終章〜     目次に戻る遙か部屋に戻る

<十六夜 終章 最終決戦>  

 壇ノ浦はいきなり大嵐でした。
 どうやら将臣くんは帝を連れてさっさととんずらしたらしく(相変わらず要領のいい兄貴)、清盛さんは置いてきぼりをくらったようです。かんしゃくを起こしておまけに嵐まで引き起こしている清盛さん。
 ああ、これほどに何につけてもそつのない男前な将臣くんが慕ったあなたになら、きっと私はときめいたのに。きっと素敵なおじさまだったんだろうなあ。そんな清盛さんに会いたかったなあ。今の貴方はただのだだっ子にしか見えませんよ。
 不完全な龍神とその神子など恐るるに足りずと、一人でも強気の清盛さん。

「完全な力なんてなくても白龍は大事な仲間だよ」
「俺たちが白龍のことを(能力がないことで)責めたりするはずないだろ。もし、欠けているならそれを取り戻せばいい。それだけだろう」
「うん。譲の言うとおりだね」

 いきなり萌え会話が挿入されましたけど、なんで声がついていないんだ!
 白龍ちゃんを挟んで、神子ちゃんと兄貴ぶる譲って構図は大好物なのに。譲ってば相手によって口調が変わるから面白いんだけど、ため口になる相手は少ないから、こういうときは是非中原ボイスで演技をつけていただきたいというのに。

「この戦いの先にある未来のために俺は戦います」

 って、こういう中原ボイスを! もっと中原を!
 もう全編入れてくださいよ。なんでフルボイスじゃないんだ(大人の都合)。
 それはさておき、譲くん張り切ってますけど、でも相手今度もやっぱり金属性なんだ。
 つーか、だからなんで清盛は金属性なんだ。全然譲使えないよ! 張り切ってる譲がバカみたいじゃないか。とにかく邪魔だからあんた休んでて。
 さあ、行くぜ! 火属性!
 任せた白龍。さっきバカにされた仇をとろうじゃないか。ちなみに私の神子ちゃんも火属性だし、ヒノエくんと三人で頑張ろうぜ。
 二周目なのでみんなそれなりに強くなっているので、あっさり撃破できました。

 しかし、清盛さんの往生際は悪く、おとなしく封印されてはくれません。黒龍の逆鱗を取り出し、呪詛を遺していきました。
 本当にどうして清盛が黒龍の逆鱗を持っているのか気になります。朔ちゃんルートにチャレンジしないといけませんね。

 望美ちゃんは穢れを払ったときのように、清盛の呪詛を退けようとしますが、呪詛は清盛の存在を賭けたものなので、人の身には大きすぎ、望美ちゃんには浄化できないそうです。だから私に任せろと白龍ちゃんが頑張ってくれるんですが、完全じゃない自分にもやっぱりできないとうちひしがれる白龍ちゃん。任せろなんて大きく出ただけにちょっと情けないですが、これはそれだけ事態が深刻ってことですよね。笑う所じゃないよ(と自分に言ってみる)。
 白龍の力を補うためにみんなで祈れってことになったんですが、それでも駄目。
 穢れの影響が強くなって、神子ちゃんまで倒れてしまい、心配する譲。

「大丈夫……ですか。しっかりして」
「白龍、俺たちの祈りではだめなのか? どうしようもないのか?」

 大丈夫とどうしようもないのか。
 この二つの言葉にこれだけの威力を込められる中原さん万歳。
 もうね、源氏の兵士より先に私が昇天してしまいそうですよ。清盛の呪詛より威力絶大。
 この状況でどこまでもお馬鹿な私ですが、望美ちゃんはしっかりしてます。昨晩譲くんと話したことを思いだして、自分が何をすべきか決意を固めたようです。

「白龍、私は、白龍の神子だね」
「先輩…何を?」

 ぐは。その「先輩」って息の抜き方だけで、くらっと来た。
 って違う違う。いい加減にしろ、私。
 そうじゃなくてー。望美ちゃんの決意を、このセリフと表情だけで察して顔色変える譲くんが面白――いやいや萌えだと思いました。本当に望美ちゃんのことはよく見てるね君。

「そうだよ。あなたは、私の神子だ」
 ここから一連の、神子と白龍のやりとりはなかなか胸にきますね。
 白龍も、そんなことはさせたくないけど、もうこの状況では他に方法がないことがわかるだけに、譲のように駄目だとは言わない。それが単なる伝承ではないことも、白龍にはわかるわけですしね。
 だけど、それをしろと促すことも強要することも、白龍はしない。最後の結論は、ただ、神子の決意と望みにゆだねる。その立ち位置と目線がよくわかる演技だなあと思いました。置鮎さんもさすがだ。

 でも譲はそんな冷静じゃないよね! 冷静でいられるわけないよね!
 望美ちゃんを引き留めるのにもう必死。
 それを聞いている私も冷静でいられるわけないよね!(知るか)
 ちょっと一休みしますです。コーヒーでも淹れてこよう。

<十六夜 終章 かわいそうな譲> 

 ってコーヒーくらいで落ち着くかぁ!(ちゃぶ台返し)

 望美ちゃんの決意は固いのです。譲くんだって(それができると)知っていたんでしょう、と、きっぱり言いきる望美ちゃん。こういう時はやっぱりお姉さんぽいですよね。

「だと…しても……」

 可愛そうな譲! もう泣きそうですよこの子。
 見ている私もハンカチが濡れてしまいますよ。

「本当に――使えるとしてもそんなのは駄目です。あなたが犠牲になっていいはずない」

 犠牲になるのはコレットだけじゃないんだ!

 ってロイドくんも言ってた(ような気がする。そんなセリフなかったっけ?)
 でもやはりこの状況を収めるには神子を捧げるしかないわけで、このままじゃ世界だってと、どこまでも決意は固い神子の望美ちゃん。
 ですが、

「世界なんて――っ、そんなものどうなったってかまわない!

 よく言った譲ー!!!
 そうだよね。そうだよ。どうなったっていいに決まってるよ。
 世界なんてそんな自分の手に収まらない大きな物より、身近な人の方が大事だよね。
 人間誰しもそれが本音だと思います。大切な人の延長にある世界だから大事にできるんであって、望美ちゃんと引き換えに残る世界に譲が価値を見いだせないのは当たり前ですよ。

「あなたと引き換えにできるものなんて、ない!!」

 そうだ。まったくもってその通りだ。
 ああああああもう、この辺の譲見てるとかわいそうすぎて泣ける。
 譲にもわかっているんだ。望美ちゃんを引き留めることができないって。自分が泣こうが叫ぼうが彼女は行ってしまうって。わかっているけど、でも言わずにはいられないんだ。元の世界にいたときの、望美ちゃんと距離を置こうとしていた譲でもどうなるかわからないのに、この世界に来て望美ちゃんと絆を深めた譲が平静になれるはずなんてありませんよ。

 誰だ十六夜ルートは譲に優しいなんて言ったのは(お前だ)。全然優しくなんてないじゃんかー!!!

 そういえば優しいのは譲が不在の時だった。譲がいたらやっぱり可愛そうイベントになってしまうのだった。そして最後の最後に最大の不幸が。望美ちゃんのために自分にできることが何もないまま望美ちゃんを失ってしまうだなんて、そんな譲にとって一番辛い状況が、選りに選ってこんな形で訪れてしまうとは。逆ギレ告白の千倍は可愛そうな状況なんですが。
 そしてやはり引き返さない望美ちゃん。

「私は世界も、譲くんも守りたいよ。大好きだから」

 ごめんよ。譲。私はかわいそうな君が好きなんだ。
 この状況下で好きだと聞かされてお前がどう思うかなんてよくわかってるけど、でもこんなセリフしかないんだ!
 俺なんてどうだっていいんですと、言う譲くんに、どうでもなんてよくないよと返す望美ちゃん。世界が大切な人の延長にあるのなら、世界もまた貴重な価値あるものになる。望美ちゃんはこっちの立場だからなあ。
 だから望美ちゃんは自分の願いのために、ためらいなく龍神を喚べてしまう。

「いやだ。そんなのはいやだ! 行かないでくれ、先輩!!」

 敬語もかなぐり捨てて泣き叫ぶ譲くん。
 やっぱり通常ルートより、こっちの方が千倍は痛い!!
「先輩――っ!!」
 最後の叫びはもう聞いている方が痛い。

 

 

「もう、秋か……。あれから半年も経ったのか」

 ええ!? 半年ですか!?
 空に昇る望美ちゃんにむかって叫んだあの声から、いきなりこのうつろなセリフへの落差には、かなり衝撃を受けました。も、もしかしてバッドエンド?

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