<十六夜 終章 決戦前夜>
戦の前に物思いに沈む望美ちゃん。
ここで誰のことを考えるのか選択肢が出ますけど、これ、相変わらず面白いですね。今回爆笑したのは、
「景時さんかなあ?」
でした。かなあってなんだ。かなあって。
このセリフって絆を高めたら変わるものなんですか? 今は譲狙いだからいいけど、景時さんを狙っているのにこんな選択肢が出てきたら盛り下がりますがな。
「譲くんのことなんだか心配だよ」
まあ当然これを選ぶんですけどね。でも今回は譲くんのことを心配する要素が今ひとつ薄いのですよねえ。心配なのはむしろ望美ちゃんの方なんですが。
「この世界に戻ってきたのは……譲くんと離ればなれにならないよう、一緒に帰るためでもあるんだ」
ああそういう流れに持っていきますか。確かにこの世界に戻る時の選択肢は「譲くんと離ればなれになるなんて」という非常に萌えるセリフでしたからね。
なんて冷静に見ていたんですけど、けど!
「先輩!? しっかりしてください」(声つきセリフ)
ぐ、ぐはっ。油断、した! 心臓を一突きにされたかのような衝撃が!!!
これかー! 足りなかったのはこれかー!
得心がいきましたよ。十六夜ルートでイマイチ盛り上がらなかった原因は全てここにありましたよ。そうです。足りなかったのは中原さんの演技!! なんで蜜月イベントって声がついてないんですか。
うん。今軽く腰が抜けた。魂も。
あの三つ目の蜜月イベント、声がついていたらこんな感じだったのか! 声、ついてなかったよね? 二つ目のイベントまで声がついてなかったから、三つ目もないと思ってうっかり飛ばしたとかってオチかしらん。私はうかつだからあり得るわ。つーか声があるとないとじゃ大違いじゃないのさこのイベント。こんなに燃えて萌えるイベントだったなんて!!!!
ちょちょちょっと動揺しすぎて望美ちゃんの物思いの内容が頭に入りませんよ。
「自分を失わないで、先輩!」(声つきセリフ)
!!!! これ! これよ! このせっぱ詰まりきった(なんだその日本語は)声! 譲はこれがなくっちゃ譲じゃないよ。
はあはあ。望美ちゃんのセリフが長いから落ち着けるのか、落ち着いたところにまたくらうからダメージが大きいのかわからなくなってきた。
動揺している間に望美ちゃんの物思いが一段落してしまいました。
そこへ譲登場。やっぱり声つきだと(私の)盛り上がりが違う。
「どうしたんですか? こんな夜中に一人で船を下りるなんて」
どうしたんですか?
これだけで断言できる。私は今幸せだと!
っていいかげん真面目に二人の話を聞きましょう。
あの心配性の譲が夜中に一人で行動するなんて危ないって言わないのは、きっとそうせずにはいられなかった望美ちゃんの心情を思いやっているのでしょう。
やっぱりこっちのルートの譲は余裕がありますね。自分のことだけでいっぱいいっぱいになって逆ギレ告白までかました通常ルートの譲がどれほど追いつめられていたのかよくわかります(フォローのつもり)。
「一人でいると、悪い想像ばかりしちゃって」
望美ちゃんの物思いの内容は本気でろくに聞いていなかったのですが(お前な)、深刻な感じだったのでこれにしました。
「先輩……」
ちょ……っちょっとまっ……。
その先輩の言い方だけで魂がどっか行っちゃうんです、け、ど……。
えーとえーと、そうそう、明日もきっと大丈夫と譲くんは笑顔で望美ちゃんを励ますのですが、望美ちゃんの不安は消えません。励ます側と不安な側が通常ルートと真逆ですね。
元の世界に帰れるかわからないという望美ちゃんに、譲は「元の世界……ですか?」と反応が鈍い。譲にとって一番の関心事は望美ちゃんなので、元の世界に帰れるかどうかなんていうのは、普段あまり考えていないんでしょう。ともかくも、大丈夫だと励まし続けてくれる譲くん。
「八葉のみんなが一緒ですし、龍神の神子には強い力があるとも――」
しかしここで失言をする辺り、やはり譲も平静ではないのでしょう。
龍神の神子の強い力とは龍神を召還する力なのだそうです。じゃあ私がそれをすればみんな助かるかもという神子ちゃんには「やめてください!」と全否定。
召還するためには身を供物として捧げなけければならない、危険だと。
じゃあ言わなきゃいいじゃんと思いますが、その辺が譲の青いところで、そんなところもまた可愛らしいじゃありませんか。
「私も「身を捧げる」なんて怖いよ」
この後の選択肢は「安心だね。いざというときには私を頼りにしてね」を選びました。
いきなり「大切な人を守るためには」って言い出すのは格好良すぎるし、「自分と引き換えに何でも叶うなんて怖いな」とさらに怖いというのは、覚悟を決めて時空を越えた望美ちゃんらしくないしね。
「頼りにはしてますよ」
譲からは可愛いお返事が返ってきました。この「には」にどれほどの感情が込められているのか考えると色々ぐるぐるするわけですが、望美ちゃんはちっとも気にしてないあたり、やっぱりこの二人は通常でも蜜月でも基本形は変わらない。
だけどそれでも、、譲くんはいつも私のために無茶をするからと、かえって望美ちゃんの龍神を呼ぶという決意が固くなってしまいました。
「駄目です! そんなのは絶対に」
譲くんは、自分たちがいるのだから一人で無茶をするなと望美ちゃんをいさめます。
ここの流れって好きです。この後望美ちゃんは、自分が譲くんを心配するように、譲くんも自分を心配してくれているのだと、そこに気づくのがね、いいなと思いました。なんかちょっと譲も報われた感じがしませんか?
やっぱり十六夜ルートは譲くんよりも、望美ちゃんのルートなんですね。
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