プレイ記録 譲 通常ルート 〜六章〜     目次に戻る遙か部屋に戻る

<六章 これではまるで>  

 好奇心は猫を殺す。というわけでさっきうっかり譲を泣かせてしまったので、死にかけてしまったわたくしです。我ながらあほだ……。
 私のあほな行動を知った友人はひざを叩いて笑ったとか。それもまた愛ですな。

 いいかげん譲を待たせるのも悪いので、ちゃんと答えましょう。譲くんは私にとって大切な人だよと。

「だったらどうして!」

 えー!! 怒られたー!?
 ガンバン!ってすごい音したと思ったら、か、囲われたーーー!!! 
 望美ちゃんにーげーてー。

 譲くんは堪忍袋の緒どころか、もう理性全部ふっとんだみたいですね。色々たまっていた思いをぶちまける譲くん。どうして他の奴に微笑みかけるんですかってある意味究極の嫉妬だな。つまりそれは視線を譲からはなすなって事ですね。

 うん、それ、いつもお前がやっていることだもんな!

 譲くんはいつもいつも望美ちゃんを見ていたんだもん。同じように自分のこと見て欲しいよねえって思ったらその後の展開はまさにそんな感じ。
 「これまでにどんな思いで」というところは、ほろりときました。望美ちゃんがじゃなくて私が、だけど。
 悪いな譲。でもこれまでお前を見守ってきた私にはお前の思いがわかるけど、望美ちゃんにはやっぱり通じないんだよ!

「これではまるで拷問だ」

 相手は天然悪女だからね。
 ただしその相手は譲に限定されるあたり、どこまでいっても自業自得だと私は思うわけさ。他の人を相手にしているときは、望美ちゃんここまで鈍感じゃないんじゃないのかなあ。いや、他の人ルートやったことありませんけどね。でも、少なくとも悪女ではないと思われるのですが。どうなんでしょ。
 ともかく、望美ちゃんびっくりしてんじゃんかー。
 いつもの譲くんなら、望美ちゃんがびくついてるの見た時点で我にかえるはずなんですが、頭のねじ全部ふっとんでまだみつからないので、突き進みますよどこまでも。

「ほんの子供の頃から」「春も夏も秋も冬も」「それでも側にいられるならかまわない」

 あああああもう、可愛そうすぎてお腹痛い(こら)
 普段抑えに抑えつけているだけに(ただし、当人以外にはだだ漏れ)、一度噴火するとその熱さといい吹き出す量といい、すさまじいものがありますな。
 譲ファーストじゃない人には、暑苦しすぎる告白ですね。うっとうしがられてもしょうがないのかも。

 ですが、私は譲ファーストなので、このたたみかけにもうんざりなどしませんとも。
 この告白はですね、少なくとも福原のラストから見守ってあげて欲しいのですよ。
 ずっと自分が死ぬかもしれないという恐怖に一人怯えていた譲くんが、福原の終わりでその恐怖を望美ちゃんと共有することができました。共有といっても望美ちゃんがもってあげた分はほんのちょっぴりなんですけど、それでも譲くんは相当気分が晴れたはず。しかも、「絶対に死なない」という約束もしましたし、望美ちゃんが譲くんを真剣に思ってくれているのですから、たとえそれが心配という感情であっても、譲くんはぐっと前向きになれたはずなんですよ。
 そして続いた鎌倉デート。元の世界の話をしたり、譲に黙ってでかけたりしないという約束をとりつけたりして、そりゃあ譲くんだって盛り上がりますよ。先輩も少しは自分を特別に思っていてくれるのかもしれないって、期待もふくらみますよ。

 それなのに望美ちゃんってば!!!

 最初は心配が大きかった分、それが怒りに転嫁されたってくらいのことだったんでしょう。自分に黙って出かけて、夜中に帰ってきて、しかもヒノエがついていて、譲くんがすねるのも仕方ありませんよ。
 でもその後の会話で望美ちゃんのテンションが自分とあまりにかけ離れているから、ちょっとすねるじゃ済まなくなってしまったんですよ。しょうがないよ。望美ちゃんの反応、あんまりだもん。
 譲くんがなんで怒っているのか、本気でわかってないんだもん。
 「譲くんにお守りをもらってきたんだよ」という選択肢にしても、きっと子供の機嫌をとるような言い方したに違いない。望美ちゃんに悪気はないんだろうけれども、いつもの幼なじみ会話をしただけなんだろうけれども、それが譲の神経を逆撫でしたんでしょうね。

 やっぱり俺は弟扱いなのか!

 ってそれでキレたんだと思われるのですよ。
 だから「俺のことなんてどうでもいいなら」というセリフにつながるのではないかと。

 まあ、譲自身が幼なじみで八葉という立ち位置から出ようとしなかったんだし、自業自得なんだけれども。どっちが悪いかという話になれば、責任があるのは譲なんだけれども。
 でも、死ぬかもしれないという恐怖から完全に逃れられた訳じゃない、ギリギリの精神状態で、これだけの精神攻撃をくらったら、キレるのもしょうがないなあというのが、譲ファーストの私のひいき目(笑)です。

 それにしても、譲のイベントってどれもこれも「持ち上げておいて突き落とす」ものばっかりだな……。

<六章 笑って下さいよ>  

いくら譲愛でも、長すぎると思います。
でも改める気はなかったりするんですが。

 噴火してしまった譲くんですが、「春も夏も秋も冬も」のオールシーズンな愛をぶちまけたので、さすがに冷えてきたみたいです。
「なんてみっともないんだ」
 と、望美ちゃんがついてきてない状況で一人熱くなった自分を顧みる余裕ができたみたいです。
 あなたとの関係を壊したくなかったから、隠しておくつもりだったという辺り、まだまだ自分と望美ちゃんとでは、感情の質が違うってことは、譲もちゃんとわかっていたんですよね。だから普段からブレーキを踏みすぎるほど踏んでいて、で、ここで壊れたと。
 止まらないって自分で言っているし。

 死ぬことはそれほど怖くないって言っているけど、半分嘘だと思いますね。先輩を失うことに対する恐怖の方が大きすぎるから、あんまり怖くないように感じちゃうだけでしょう。

「俺がいなくなったらあなたは誰に微笑みかけるんでしょうね」

 これかー!!
 って思いました。
 何かって、ほら、江ノ島デートの時のあれですよ。「失って価値のわかるもの」の話。
 譲がやたら深刻な顔をしていたので、そんな大事なものなくしたことあるのかしらんって不思議に思っていたのですが、あれはここのセリフにつながるのですね。

 我が心の友に相談したときの答えはこうでした。
「譲を失ったときの望美ちゃんのことを考えているのではないか」
 って。まさにその通りだったようですね。さすが我が心の友。譲に対する理解が深いよ。

 自分が失ったもののことを思い出していたんじゃなくて、自分を失った望美ちゃんが悟る価値って果たしてどんなのなんだろうかって考えていたんだな。
 むしろ、失ったときに大事なものだったと価値を認めてもらえたりするんだろうか俺は、ってとこまで卑屈に考えているのかもしれません。
 どうせ俺がいなくなったって、あなたが改めて悟るような価値なんてないんでしょうねって。

 なんて後ろ向きなんだ。この子は。

 いやいやこれはそれほど目前に迫った死の影が大きいってことですよ。
 そして、持ち上げられては突き落とされてきた、過去のあれこれがすさまじいってことですよ(ほろり)。

「おかしいでしょう? 笑ってくださいよ」

 心の友と二人して指さして大爆笑でした。
 私たち心の底から譲くんのこと愛していますからね? 
 じゃなかったらこれだけの長文つづりませんって。
 ――私の愛も暑苦しいな。だから譲くんが好きになったんだな。つまり、同類ということか……。(それもどうなのか)

 可愛そうな譲くんには、望美ちゃんもはっきり答えようじゃありませんか。

「私も譲くんのことが好きだよ」 で、どうだ。さすがに譲も浮上するんじゃない?

「だからそんなにつらそうな顔しないで」

 今度もそれかー!
 だ、だから望美ちゃん。幼なじみの年下の男の子を慰める好きじゃだめなんだって。譲が欲しいのはそれじゃないんだって。

「先輩は優しい人ですね。だからこそ俺を苦しめる」
 ってほらー。やっぱり譲くん沈んじゃったじゃないですか。
 そんな好きなら子供の頃から山ほどもらっとるわ! 俺の好きはそんなのとは違うねん! って言ってやれ! 言ってやれ譲!

「俺は愚かだから、わずかでも望みがあると思えば……」
 そうか。言えないか。言えないよな。言えたらそもそもこんな展開になんてなってないもんね。
 はは。しかしとうとう自分で言ってますね。
 わずかな望みが見えればそれにすがってしまうって。
 違うとわかっていても期待して、痛い目をみてきたと。
 持ち上げられては突き落とされる経験を十年以上させてやると、こんな可愛そうな子が出来上がるのですね。

「俺はあなたを思ったまま不幸になった方がいい」

 それでこそ譲くんだよ。
 この時点での望美ちゃんの好きは、どこまでいっても特別な幼なじみを越えたものではないとわかっているので、最後は謝罪までして引いた譲くん。
 これを自己完結と呼ぶなかれ。
 相手が舞台にあがってきてくれないんじゃ、自分で幕を引くしかないじゃないですか。

 そんなわけで譲くん、玉砕の巻。

<六章 怨霊退治>  

 あとはEDまで突っ走るだけなのかな?

 一夜明けまして、惟盛を探して鎌倉を移動。
 穢れをはらうイベントは、譲の活躍する場所よりも青龍コンビのところの方が楽しいですね。
 やっぱり優しい九郎さんと子供の扱いのうまい将臣くんが素敵。二人ともいい男だなー。
 そして、弟がいるから子供の扱いがうまいんだと言う将臣くんに、複雑な顔をする譲。
 うん、それが君の役所だね。
 将臣くんにいるのは、弟だけじゃなくて妹もだと思いますが(笑)。望美ちゃんのこともまとめて面倒をみていたに違いないよ、将臣くんは。
 ただ、今現在の将臣くんは、望美ちゃんのことを妹だとは思っていないんでしょうけどもね。

 で、イベントを進めながら戦闘もしなければなりません。まだまだ弱い彼らを鍛えないといけないもので。
 基本的に戦闘ゼリフはすっとばすので、何を言っているのか知らなかったのですが、ふと聞こえてきた譲くんの決めセリフに吹いた。

「あなたを守る光になる!」

 ゆ、ゆずるー!?
 何口走ってるのあなたは。コントローラー取り落としちゃったじゃないのさ。
 こんなこと大声で言ってるんだから、そりゃあ君の思いはみんなに筒抜けだろうさ。
 あほだー。こいつほんとにあほだー。
 と、大笑いしたのですが、考えてみればこれは乙女ゲーム。
 他のみんなだって甘い言葉を吐いているのかもしれません。

 ヒノエくんとか、どうよ。彼ならあまーい言葉でメロメロにしてくれそうじゃないの?
「鉄もとろける業火となるぜ」
 って、あれ?
 じゃあ弁慶さん。甘セリフといえば弁慶さんだよね。
「怒れる大地をよびさまさん」
 あ、あれ?
 それなら敦盛さんは? 神子ちゃん大事の敦盛さんなら。
「すべての穢れを、清めよ」
 って、あれー!?

 九郎さんは若武者ぶりがりりしく、景時さんは陰陽師の呪っぽい。先生は先生らしいし、将臣くんも軽やかに。
 ってなんだよ! 
 譲、結局お前だけか! そんな戦闘の中心で愛を叫んでるのはさー!!!

「あなたが傷つくのを見たくないんです」

 かばってくれたときのセリフも含め、今聞くのはなかなか痛いものがあるんですが。
 あの噴火というか激流というかそんな告白を聞いた後で、しかもそれは夢だと思って忘れて下さいとか言われてしまった後で、こんなセリフを聞かされたらどんな顔していればいいんでしょうか。

 まあ、望美ちゃんだから問題ないと思うけれど。

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