プレイ記録 リズ先生 十六夜     目次に戻る遙か部屋に戻る

<やっぱりもったいないから>

 やっぱりすごくもったいないことをしたんだと思うのです。
 何がって先生ルートをあんな形でクリアしてしまったことですよ。

 終始望美ちゃん視点で追いかけてしまったため、びっくりしてびっくりしたままクリアしてしまいました。先生の絆の関イベントって、先生に修行してもらうとか、相談にのってもらうとかでロマンス度が薄い上に、夏熊野で分岐ってまだ望美ちゃんの心が育ってないよ!って呆然としてたのですが、先生視点で眺め直してみたらば、まあなんて切ないお話なんでしょうか。
 何度も望美ちゃんとの絆を深めては目の前で失うなんてことをくり返してきたのですから、望美ちゃんの心が育ってからでは遅いのですね。望美ちゃんのことは全力で支えるけれども、それで望美ちゃんの気持ちが育つのは駄目だなんて、切ないですね、先生。自分のことを影だ影だって仰るわけがわかりました。

 考えてみれば、先生と譲は同じ不幸を背負っているわけですね。
 何って、「乙女ゲーなのに、最初からヒロインに惚れている」というひどく矛盾した立場にいるという不幸ですよ!
 そもそも乙女ゲーってのは、女の子があの手この手で男の子を落とすゲームじゃないですか。彼の元へ通いつめ、週末ごとにデートに誘い、彼好みの服彼好みの会話彼好みの贈り物で攻めに攻めたりするものでしょう? 彼好みの女になるために勉強したり部活に励んだりバイオリンの特訓もするわけですよね。そうして女の子の涙ぐましい努力の末にEDが成り立つものなのに、涙ぐましいのって譲と先生の方だし。
 それに乙女ゲーのヒロインってやつは、落とした男には冷たいんだよね。落ちた男が貢いだ力で試験を楽にパスしたってのに森の泉で呼ぶのは他の男だったり、あるいはとっとと女王になってしまったりとか、毎週女の子の方から電話してきてたのが男の方からかけるようになったらもうかけてこなくなって、しかも結構誘いを断ったりとかして、不安になった男の子が家に押し掛けてみたら他の男とのデート帰りを目撃させられたりとかするんだよね。
 それなのに、最初から落ちてたりするんだから、二人の扱いがどうなるかなんて推して知るべしだよね(笑)

 まあ、なんというか、落とすための努力がヒロインに必要ないので、イベントのロマンス度が低くなるのはしょうがないんでしょうね。ロマンス度を高めてヒロインが盛り上がったら速攻EDにたどり着いてしまうんだもの。だから譲も先生も、盛り上がるのはED直前までお預けなんだな……。だから譲は盛り上がったら突き落としのくり返しで、先生は離ればなれになってしまうんだな。

 これはやっぱり、ちゃんと先生を見つめ直すべきですね。
 可愛そうな子好きの私としては、先生をこのままにはしておけません。
 そんなわけで先生の蜜月ルートにチャレンジしてこようと思います。明日から。
 朔ちゃんですか? 朔ちゃんは逃げないからいいのです。(え?)

<行って戻ってまた行って> 

 先生蜜月ルートは難しいような気がしたので、攻略サイトに頼ることにしました。
 ……うーわー本気でめんどくさ……いやいや難しい。
 三回も二章を通らないとクリアできないのかー。これは通常ルートみたいにうっかり先生ルートになっちゃったってことが無いようにしてあるのかしら(笑)
 さーて道筋がわかったところで、突撃ですよ。

 通常ルートとは違う形で一章をクリアしなければならないので、またも宇治川からやり直し。
 でも、全然苦じゃないわ。
 だって朔ちゃんとの出会いは何度やってもときめくから。

「あなたが私の対なのね」

 ってときめくよね?
 それに譲との再会もまた体験できるのですよ。

「無茶しないで!」

 って叱りつけておきました。
 無茶はどっちじゃーって逆に怒られたけど。でもね、今は望美ちゃんの方が強いんだよ、譲。
 先生の絆の関も空けてさらりと一章はクリア。

 二章はちょっと面倒くさい。
 何が面倒って先生を仲間にするまでに結構かかるってことですよ。鞍馬に行って結界解いてって手順がどうしても必要なのがねえ。この辺さして面白いことないしな。
 先生を探すときのみんなの会話はほのぼのしていて楽しんだけど、もう何回も見たし。
 でも苦労は報われるのですね。
 先生蜜月イベントその1が発生。
 どこかへお出かけする先生に、望美ちゃんもお伴するのです。

 って、最初のイベントから二人きりでデートなの!?
 誰だよロマンス度が薄いなんて言ってたの(だからお前だ)。ひょっとして、蜜月ルートはロマンスに期待してもいいのでしょうか。通常ルートは師弟対決なんかがあったりして、神子のますらおぶりに衝撃を受けたものですが、蜜月ルートは神子の乙女な部分を堪能できるのでしょうか。
 期待に胸を弾ませて先生について行った先は、きれいな花が咲く静かな場所でした。
 お弁当を持ってくれば良かったなんてはしゃぐ神子ちゃんを、目を細めて見守る先生。
 おおおお? なんかいい雰囲気じゃないですか! これは本気で期待できるかもー!!

 ってはしゃいでばかりじゃいかんがな。
 先生は用事があったんだから邪魔しちゃいけないって我に返る望美ちゃんは私より冷静だわ。
 先生のご用事というのは、この場所が静かに保たれているか見回ることなのだそうです。
 隠された美しい場所ということから、まるで楽園のようだと望美ちゃん。先生の名前が楽園という意味を持っているのだと教えてもらったりもして、いやもうほんとにロマンスたっぷり。秘密の花園だなんて萌えワードも飛び出して(萌えるの私だけ?)、場所の雰囲気と相まってまるで春の日差しのような柔らかく甘い雰囲気にとろけそうですよ。
 どうやらここは、鬼の里があった場所のようです。今は亡き一族の眠る場所なのだと言う先生。望美ちゃんはその辺の事情がよくわかってないと思うのですが、その話を聞いた後の選択肢は
「ごめんなさい」
 と謝っておきました。無神経にはしゃいだりしてごめんなさいと。
 でも先生は気にするなと優しく笑って下さいました。
 鬼の里が滅んだことも、誰が悪いのではなく運命だと語る先生。その穏やかさがかえって痛々しいです、先生。

 通常ルートでのセリフですが、逆鱗の力で30年も前に飛ばされてしまったことがわかったとき、先生は嬉しかったって言うんですよね。これで自分を助けてくれた人を助けるための力を蓄えることができると思って嬉しかったって。
 でも、それだけじゃないですよね。
 最初は、鬼の里のことも助けられるって絶対思ったはず。
 家族や友達のことを、先生は口にしませんけど、でもこれで「みんなを」助けることができるって喜んだはずです。だけど、「鬼の里は絶対に助けることができないように、変えられない運命もある」というセリフもあるので、鬼の里のことも助けようと何度も運命を上書きして、これはもうどうしようもないのだと悟るだけの経験をしたのでしょう。
 先生がこれだけの境地に至るまでに、過ごした時の長さを思うと胸が痛みます。
 だからこそ、もう先生には神子しか残っていないんだなーって、改めてわかります。生きる意味がもうそれしかないんですね。それなのに、神子との絆が深まるといつも神子が死んでしまうなんて!! 
  先生はもう神子との未来を望むことすらできなくて、ただ神子が幸せであることだけを願い、神子が生きて幸せをつかむまでその支え手となることだけを自分に許しているというそんな状況なんですね。
 いやもうどうしよう。先生に対する愛があふれそうです。望美ちゃんのじゃなくて私の愛でごめんね先生(笑)。なんでそんなに望美ちゃんのことが好きなのかその理由がわからない譲よりも、背景のわかりやすい先生のほうがその点では萌えるな。
 先生の笑顔を見るたびに胸が打ち抜かれております。

 でも、どっちがより不憫かと聞かれたら譲の方だと思えるのは、なんででしょう(笑)。

 それはさておき、デートの締めの先生のセリフは、全てを果たしたらここに立つという決意表明と、でも神子と来ることは二度とないというある種の拒絶でした。
 それに対して神子ちゃんは、先生のことがよくわからないと悩みつつ、だからこそ知りたいという反応をしておりました。

 相手のことをもっと知りたいと思ったら、それが恋の始まりなんだよ。

 期待通りロマンス度の高いイベントでした。満足満足。
 通常ルートだと、望美ちゃんの恋心がこのレベルに達した時点で置いていかれましたが、今回はそういうことはなさそうなのでとりあえず一安心。

<それでも譲が好きだ> 

 次は熊野まで行かなくちゃいけないらしいです。ので、三草山の戦はかっとばしなのですが、いつものようにいつものごとく、譲にはしっかりかまっておきました。
 那須与一に弓を習ってるんですよって教えてもらえるあのイベントです。

「そんなにすごい人なの?」
 もう何周もしているのだから知っているのにとぼけてみました。
 譲が頑張っていると知ったときのセリフは、私も頑張ろうという流れにしてみました。
「私も先生に教えてもらってるんだから」
 せっかく先生ルートをたどっているので、これにしたのですが、譲はあっさりしてますね。
 あの人からは学ぶことが多そうですなんて鷹揚に構えているので、もうちょっとつついてみようと思いまして、
「当たり前だよ、私の先生だもん」
 ってな選択肢を選んでみたのですが、特に面白い反応は返ってきませんでした。

 神子ちゃんが17歳で先生が34歳という年齢差があるし、先生の態度も何歩も引いたところにあるから、この時点では譲も特に警戒していないのかなあ。他の八葉も先生のこと信頼して頼っているようだし、譲も純粋に頼りになる人だーくらいにしか思ってないのかなあ。最初は怪しい人だと思っていたし、望美ちゃんといつの間に知り合ったのか疑問は解けてないけど、先生がいい人だから譲も安心しちゃったのかな。
 他の八葉の方がよほど危険な存在だと警戒しているから先生はノーマークなのかなあ(笑)

 でもわざわざこんな選択肢(他の男を褒める)が用意されているとこが面白いなあと思うのでありました。
 それでこそ譲イベント。

<千の夜をこえて> 

 熊野は長い……。

 勝浦で先生にお礼を言うイベントです。
 最初はなんで先生だけ事情を知っているのか「?」でしたけど、先生も時空を跳ぶことができるからわかってるんだよということなのですね。
 つきつめて考えるとよくわからない状況ですけども。この先生は何周している先生なんだろうねえ。

 ともかく、わかってもらえなくてもお礼の気持ちは伝えようと先生の元へ。
 お前はよくやっていると頭をなでなでしてもらえました。
 先生の手っておっきそうだから、なでなで気持ちいいでしょうねえ(笑)。
 でも先生はまた自分の心の中だけで勝手に色々考えて、「駄目だ!」とか望美ちゃんにはわけのわからないことを言って距離を取ろうとするのですよね。
 決断はお前がしろと、望美ちゃんの心が自分にむくのを避けようとなさるのですが、はっきりいって逆効果です先生! 普段優しくしておいて、いきなり突き放すってそれ、女たらしが使う方法ですから。

 先生の苦悩の元はよくわかるのですが、それだけにむずがゆい(笑)。
 望んではならないのに何をしているのだ……。とか、この手で触れて……とか、この想いを抱えたままでは……とか、先生! 聞いている方がこっぱずかしいです! この想いってどんな想いですか!
 ああそういえば、先生も「望む」っていう単語をよく使うなあ。譲と違うのは「それがお前の望みならば」って「望み」という形でもよく使うことですが。やっぱり似てるのかしら、この二人。他の人もよく使うのかどうかは知らないけど。

 それはともかく、望美ちゃんの方も先生が気になって仕方がないようです。
 そりゃそうだ。望美ちゃんは純情なんだから(多分)、そんな色男の手練手管(違う)に対抗できるわけないじゃないですか。
 私は先生に近づきたいのに……。と先生の心の内を気にしています。

 演出もロマンチックに盛り上がってますね。それぞれにそれぞれを思う気持ちが星空に重なって……って異議あり!
 まだ蜜月イベント2つ目なのにこの盛り上がりは何!? 譲の蜜月2なんてそんなんじゃなかったっ! いやお昼寝の寝込みを襲う(違う)という確かにちょっと甘酸っぱい香り(笑)が漂ってましたけど、でも最後にオチがついたよ。こんなふうに二人で盛り上がるなんてずーるーいー。
 まあ……しょうがない、しょうがないよね。譲の場合歯止めがないから二人で盛り上がったら即EDだし。盛り上がっても一度盛下げないといけないんだよね。先生はどんなに盛り上がっても、先生自身がストップかけちゃうからEDに行きようがないし、遠慮無く盛り上げられるわけですよね。
 わかってるけど、比べるとなんだか笑える。

 譲のことはさておき、望美ちゃんの心も先生に傾きつつ次へ続く。
 次は鎌倉です。

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