第二十三話 光の中に

 いけ好かない奴だと思っていたルイと、よりによって同室になった。
 そのために、それまで知らなかった奴の普段の様子を見ることになったのだが。

 「また寝坊しちゃったよ。カオル、今日最初の訓練は何だっけ?」
 「今日の講義で、うっかりノートを取り忘れたところがあるんだ。
  悪いけど、見せてもらえないかな?」
 「まだ起きているのかい? 根を詰めすぎると体に良くないよ。
  僕は先に休ませてもらう。カオルも早く寝たほうがいいよ」


「先日のテストの結果を発表する。トップはルイ。2位にカオルだ」


 ……ルイなんて、ルイなんて、やっぱり大っきらいだ!!

 出来ることなら、夕日の沈む海に向かって「バカヤロー」と叫びたいカオル少年であった。

終わり

前のページに戻る