第九話  きっと仲良く暮らせる

「それじゃあ、土台作りから始めよう。大事な部分だから、しっかりした木を探してね」
「太さはこれくらい。なるべくかとうてまっすぐなんがええな」
「これくらいって、どのくらい?」
「そうやな。直径20cm、円周60〜70cmってとこかな。あんまり大きすぎても運ぶの大変やしな」
 そうしてカオルとルナが最初に見つけた木は虫食いで使えず、気を取り直して探した2本目が合格した。
「今度はOKや。太さもちょうどええ。ぴったり直径20cmや」
 チャコの言葉に、ルナが明るく笑う。
「カオルが見つけたのよ。太さぴったりなんて、すごいわね、カオル」
「……見れば大体わかる」
 ルナの顔が笑顔の形のまま微妙にひきつった。
「え……、見たらわかるの? サイズ」
 訊かれたカオルは無言でうなずいた。
「……ふーん……」

 それから、女の子達がカオルの視線を避けるようになったことに、カオルは気づきはしたが、特に気にはしなかった。

終わり

前のページに戻る