第五話 シャアラ、負けちゃだめ!

「せいぜい10mや」
「このおっ!」
「10mでも大きいわよ!」
 チャコの冗談にかみついたハワードの声にシャアラの悲鳴が重なった。
「目も光ってたし、牙もついていたわ! わたしたちみんな食べられちゃうのよ!」
「シャアラ、落ち着いて」
 涙を流していやいやをするように顔を振るシャアラの肩をルナが抱いてなぐさめる。
 ……10mの体長に、牙もある大きな獣……か。

 オレがしとめる。

 カオルがぐっとこぶしを握って気合いを入れたことに、気づいたものはいなかった。

終わり

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