チャコの品定め
チャコが見つけた木の実は、とても鮮やかな色をしていた。 「これは使えるかもしれん」
みんなのいえに戻ると、チャコはこれ見よがしにポーズをとりながら男性陣の前を歩き回った。 「チャコ? それどうしたの?」 「へえ、チャコ。その口紅いいじゃない。なかなかおしゃれだね」 「それ木の実で染めたのかい? 他にも何かに使えるかもしれない。どこにあったのか教えてくれないかな」 「なんだそりゃあ。へんなもんでも食ったのか?」 「…………」(ひたすら不審げなまなざし)
美しくなりたいとおしゃれに気を遣う女心に気づき、それを尊重するのもいい男の条件だと常々思っているチャコは、この機会にみんなを試したのだ。 ルナ、意外に意外なのが良物件やで。 ルナの保護者をもって自ら任ずるチャコの審査は、これが最初でも最後でもなかったらしいが、ルナがその結果を参考にしたかどうかは、また別のお話。 |