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後に続けて書く5題
「4:あの日からどれだけ、あたしはコイツに振り回されたことだろう。」

 ――あの日からどれだけ、我々はあれに振り回されたことだろう。

 戻ってきた人たちはそう言って辺りを見渡した。

 ――けれど、この惑星の環境をあれは守り通してくれたのだな。

 気持ちのいい風と、きらきらしている水、そしてたくさんの植物と動物。この惑星いっぱいの命と自然を確認して、その人たちの目はみんな細くなった。

 ――これからは我々が守っていかなければならない。一緒に力を尽くしていこう。

 ボクに向かってそう言ってくれた人に、ボクはうなずいた。この惑星はボクたちの生きる場所。ボクたちの手で大切にしていかなければならないんだと、ボクの心もひきしまる。

 でも、でもね。この惑星を守ってくれたのは、サヴァイヴだけじゃないよね。ルナたちが、みんながいてくれたから、この惑星はきれいなままここにあるんだ。

 ボクがんばるよ。みんなと生きる場所は離れてしまったけど、心はいつも近くにあるんだよね。側にいてくれる人たちもいる。ボクはひとりじゃないから、がんばれる。この惑星をもっともっときれいな場所にするよ。
 みんなも、きっとがんばってるよね?
 みんなの故郷もきれいなんだろうね。

 ……本当はちょっと寂しいんだ。みんなの声が、今でも時々聞こえてくるような気がするよ。そういうときはちょっと胸が痛い、かな。
 みんなのいえは今もあるよ。時々パグゥと一緒にそこへ行くんだ。そうしてバイオリンを弾いている。パグゥもそんなときは寂しそうな顔をしているよ。

 でもボクは元気だよ。

 いつか、いつかまた会おうね。
 ボクはここのことをいっぱい自慢するよ。みんなの自慢も聞かせてね。

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