プレイ記録 リズ先生 通常     目次に戻る遙か部屋に戻る

<想定外の熊野詣>

 朔ちゃんルートに行きたかったんです。

 朔ちゃんルートに行くためには宇治川からやり直さないと行けないらしいので、宇治川へ。
 朔ちゃんとの出会いをもう一度体験できるのは、なかなかおいしい体験でした。

 とりあえず京で絆の関が一つ開きました。大原での恋愛相談。
 将臣くんとの関係を聞かれました。
 朔ちゃんは譲の思いを知っているので、望美の思いがどこにあるのか気にしてくれたのかもしれません。
 ここでははっきりきっぱり「幼なじみだ」って言っておきました。将臣といい感じになるのは、将臣狙いの時だけでいいのです。じゃないと譲が可愛そうで見ていられませんからね。
「将臣殿のことは私の早とちりだったようだけど、恋をしたときは望美の味方よ」
 というようなことを朔ちゃんに言わせて、任務完了。

 お次のイベントは夏熊野。龍神温泉で、夢のことを聞かれるのですが、ここでは関が開きませんでした。景時さんに相談しても、口止めされてるからと言われて終わり。どうやら、先の章でイベントをこなさないと開かないようです。
 むむ、さすがは朔ちゃん。そう簡単に落ちたりしないのですね。
 メモを見たらば、なんと、秋の京都まで進まないといけないというじゃありませんか。
 道のりは長く遠いなあ。でも朔ちゃんのためならえんやこら。どこまでだって行こうじゃありませんか。とりあえず熊野路を進もうか。他の人のイベントもこなしつつ……とかってのんびり構えておりました。

 熊野では先生に稽古をつけてもらえますよね。もううちの望美ちゃんは花断ちも極めてるし、攻撃力も強いし、稽古はいらないのですが、でもせっかくだからと修行してもらったのが間違いでした。
 あれ? なんか展開が違う? 絆の関が開くのかなって思ってたら……えええええええええ?
 先生が、先生が消えちゃったんですけど!
 もうお前は強いって。先生がそばにいるとためにならないって、消えちゃったんですけど!?
「先生のこともっと知りたい」
 稽古の休憩中の雑談で、そんなちょっと乙女な選択肢を選んだだけだよ?
 こ、ここから先生ルート突入なの? そうなの!? そ、想定外の展開だわ。
 ああそういえば、譲を二周もする間に、先生イベントもそれなりにこなしていたわ、確かに。宇治川からやりなおすついでに先生にも会ったな。でもまさか、こんなところでいきなり先生ルートに行くなんて。
 びっくりしたー。
 しかも熊野の怪異とか全部すっとばして戦が始まるなんて本当にびっくりした。いやもう急展開ルートもいいとこですよ。急展開ついでにヒノエくんが仲間になるのもすごいな……。いいのかそれでヒノエくんは。迎えに来てくれたヒノエくんはとても頼もしかったけれども、そんなんでいいのか別当さんよ。

 つーか、こんな展開になるならちゃんとセリフもメモしてちゃんとプレイ記書いたのにー。
 そんなわけで、プレイ記もかっとばします。朔ちゃんはまた今度。

<急展開ルート> 

 譲ルートの場合、もう譲にしかいけないよって決まってしまうのは壇ノ浦直前ですから、それなりに話が進んでいますよね。ですから見ている方の心構えもできていると思うのですよ。今の神子ちゃんは譲のことが好きなんだなーって。今回は譲狙いだからこのイベントをこなしてED見るぞっていうね、そういう心の準備ができていると思うのですよ。
 でも三章熊野路の、しかも怪異とかそういうメインイベントまですっとばして、いきなりこんな展開に入るなんてフェイントもいいところですよ。まさか三章のイベントで決まっちゃうなんて思わないじゃないですか。修行イベントなんて、普通に寄り道程度にしか思ってなかったですよ。まさかそれが決定的なフラグになるなんて。

 しかも三章で決まっただけに、こっからの展開が長い長い。

 え? あ? まじで? うそ! ぽかーん。

 そんな感じでクリアしちゃった…・・・。なんかすごくもったいないことをしてしまったような、そんな空しさでいっぱいです。

 えーこのままEDまで行けちゃうの??? って呆然とメモも取らずに進んでしまったので、先生ルートのプレイ記は曖昧な記憶だけを元にお送りします。
 イベントとかセリフとか、違うところがいっぱいあると思いますが、頭が真っ白になってたんだなと察してやって下さい。

<いきなりなんでやねん> 

 先生がいなくなっちゃった。

 望美ちゃんは「どうして?」という疑問で頭がいっぱい。そうして先生がいなくて心細いやら寂しいやら不安やらでひどく不安定な状態に。
 で、三章以降、戦に継ぐ戦となるのですが、その間ずっと望美ちゃんは先生先生ってそれしか言わないんですよ。本人も言ってますが、先生のことばかり考えすぎて、負け戦の運命を変えることも忘れてしまう。一ノ谷の奇襲が危ないよという忠告も出来ないくらい、先生しか見えない望美ちゃん。
 その代わりをするかのように先生が一人で奮闘して運命に逆らってるんですが。

 この展開やだ。

 やだ。って子供みたいですけど、でもやだ。
 何が嫌って望美ちゃんが情けなく見えるのが嫌。あれだけの覚悟をして時空を越えてきたってのに、戦のことも何もかも頭からすっとばして、ひたすら先生ってそんな。
 先生のこと心配するのはいいんだけど、戦の足をひっぱってみんなの迷惑にすらなっているのがねえ。本人もこんなんじゃ駄目だとかってちゃんと反省するんだけど、でもなあ。
 男前な神子が好みの私としては、もどかしくてムキーってなる。異世界にとばされて戸惑ってる中でいきなり剣をつかんでふりまわす望美ちゃんらしくないって思えてしまう。

 譲ルートを先にやっちゃったので、余計にそう見えるんでしょうけどね。譲ルートだと、女々しくて頼りないのはもっぱら譲で、望美ちゃんはずっとしっかりしてるもの。それだけに譲を失った望美ちゃんのもろさが胸にくるっていうか。今回はまだ先生を失ったわけではないのですから、望美ちゃんにはぜひしっかりしていただきたい。悩むより先に行動ですよ! 

 違和感を感じる理由はもう一つ。私が置いてきぼりになってるからですね。
 いきなり先生ルートに入ってしまったから、望美ちゃんの気持ちと同調できなくて、それで「先生言い過ぎ」って思ってしまうんでしょうけどね。最初から先生を追いかけるつもりで、このルートに来たのなら、自然に見えたのかもしれないな。それでも、ぐるぐる悩むより行動してくれとは思うだろうけど。
 今まで先生の事なんて意識してなかったのに、いきなりなんでやねん!?
 って思いながら見てる私が悪いんだろうな。
 意識してないなら、こんなルートに入るなよ。ロードしてやり直せ。

 いきなりなんでやねん!? って思っているのは、きっと譲も一緒でしょうね。
 宇治川で初めて会ったときから妙に親しげなのに驚かされて、その上剣の師匠とか言われていつの間に習ったのかってその疑問も解けぬうちにこの展開。望美ちゃんが先生先生言うたびに、衝撃を受けている譲が不憫でなりません。
 なのに、譲は言うのですね。

「俺も先生を探します」って。
「こんなことでしか先輩の役に立てませんから」って。

 いったいいつの間にどういう経緯でそうなったのかはわからなくても、望美ちゃんが求めているのが先生だということがわかってしまった譲は、望美ちゃんの想いがかなうように協力するのですね。
「俺はあなたを思ったまま、不幸になった方がいい」
 ああ、譲。そんなお前が大好きだ。

 先生ルートだというのに相変わらず譲しか見えていない私ですが、そんな私を置いて物語は進みます。先生は一人で神子を守るために戦い、なんと清盛と一騎打ちの末、相打ちになって海に消えたというのですよ。
 先生! そんなに強かったのか! 他の八葉いらないじゃん!
 またしてもびっくり展開。
 私のとろいおつむではついて行かれません。

 ここでようやくいつもの強さを取り戻した我らが神子。
 これで平家との戦は終わり自分も元の世界に帰れるのかもしれないけれど、先生を一人で死なせるこんな運命は認めないと、時空を越える望美ちゃん。
 自分の知らないところで、しかも自分にはわからない理由で死なれてしまうこの先生ルート。目の前で死なれる譲ルートよりも衝撃は薄いかもしれませんが、やりきれなさは同等かそれ以上かも。答えのない疑問を抱き続けるのは苦しいでしょう。ただ、譲ルートと違って手元に逆鱗があるので、すぐに行動できるのですね。

<逆鱗がいちまーい、逆鱗がにまーい> 

 飛んだ先で望美ちゃんが見たのは、戦で焼ける里。怨霊に襲われているのを見て、一人で助けに入り、鬼の子供を助けるのですが、そこでまたもびっくり展開。

 ここでアニメかよ!!

 この間クリアしたのは譲の蜜月ルートで、アニメがなかったから油断した。
 そうだった。通常ルートはアニメがあるんだ。
 でも助けた子供を抱きかかえているというシーンなので動きがないからそんなに変でもないな。子供もけっこう可愛いじゃん? ……でも神子の声があった……。悲鳴がないだけ、マシか。いや川上さんは好きですよ? でも私の望美ちゃんのイメージに合わないんだ。それに子供はまだしも、神子ちゃんが可愛くない。ヒロインなのに。ヒロインなーのーにー。

 子供に気をとられていたら、背後から怨霊に襲われてそこを先生が助けてくれました。子供の姿が消えて心配する望美ちゃんに、その子は助かったから大丈夫だという先生。でも、望美ちゃんが首からさげていた逆鱗を、その子供が持って行ってしまったというから、さあ大変。
 でも、先生は、逆鱗を求めるなと言い置いて、一人で行ってしまいました。前の運命と同じく、一人で戦うつもりのようです。
 望美ちゃんは同じ運命を辿るつもりはありません。壇ノ浦で先生と清盛の一騎打ちを阻止すべく、一人で先生を捜しに行きます。

 強いよ。本当にこの神子ってば強いよ。先生を捜しに行く途中で、普通に戦闘があるなんて。一人で戦えるくらいに神子を鍛えておかないと、そこでゲームオーバー。なんて過酷な展開でしょうか。乙女ゲーなのに、戦闘スキルを上げないとクリアできないなんて。
 しかも、この後さらなる強敵が待ってるんですよね。
 その強敵とは他ならぬ先生。すごい、すごすぎる。どこのバトルマンガだこれ。師匠を倒さないと先に進めないなんて。
 うちからもリンクはっている水晶宮のhari様が、神子ちゃんは男前だとパロマンガを描いておられるのですが、はまりすぎだと改めて爆笑。聖闘士☆矢をご存じの方なら一見の価値ありですよ。ぜひ。

 すみません。展開としては笑っていい流れではありませんでした。
 戦闘になる前に、先生から辛い告白があるのです。
 あのとき助けた子供が実は先生の幼い日の姿で、先生はあのとき逆鱗の力で三十年前に飛ばされてしまったのだと。そして自分を助けてくれた優しくてきれいな(そこまでは言ってない)お姉さんを助けるために、いままでずっと逆鱗で運命を上書きしてきたのだと。しかし、何度やり直しても、神子は先生の腕の中で死んでしまうのだと。だから、清盛と先生が相打ちとなっても、それで望美ちゃんが生き残るならそれが一番いい運命なのだと先生は言うのです。
 だから行かせてくれお前は生きろと言う先生と、行かせないと言う望美ちゃん。
 争っているうちに平家にみつかり、望美ちゃんが矢に射抜かれてしまいます。

「何故この運命を選んだ」

 先生の悲痛な声。プロモムービーで使われていたセリフですね。
 望美ちゃんの方の気持ちについていけず、ぽかーんとしていた私ですが、先生の方の気持ちは充分伝わってきました。三十年そのために努力してきて、やっとあの時の命の恩人を見つけて、それなのにまた助けられない。それを延々何度もくり返してきたなんて。清盛と相打ちという流れにすれば、望美ちゃんは死ななくて済むってわかったなら、当然それを選ぶでしょう。本人の体感では、もう何百年も生きてきたようなものなんでしょうし。

 て、ことは、望美ちゃんの逆鱗があの子に持って行かれるまでは、世界に二つ――いや白龍の喉にくっついてるの合わせて三つ存在してたって事? しかも先生自身も同じ世界に二人いる時期があるってこと? どうなってんの? 先生も「それはどの私なのだ」って混乱していたけど、見てる方も混乱するわー!!

 とかそういう無粋な詮索は全部、その何百年か何千年かの先生の涙の前には意味をなさないのですよ。しかも冷たくなっていった望美ちゃんが何故か、運命を巻き戻して死ぬ前の時空に戻ったりとか、しかも戻った先の先生にも望美ちゃんが死んでから遡ったっていう記憶が何故かあったりとか、そういう強引かつ不自然な流れもまた、先生の涙を思えばどうでもいいことなのですよ。いいのです。全て愛の力です。

 あーいーそれはーあまくー。by ベル●ら

 しかし甘くないんだな、この二人は。
 その後で師弟対決って。
 やっぱりあなたを倒さないと先に進めないのですか。
「私を越えていけ」
 と言う先生もすごいけど、それに応じる望美ちゃんがすごい。そして2ターンの速攻で倒しちゃったよ、うちの神子!
「強くなったな」
 強くしすぎた?
 ともかく、これで先生を一人で行かせることはなくなりました。望美ちゃんが一緒に行くことを認めてくれました。よかったよかった。

 って、え? 先生が戻ってきてくれるとかじゃなくて、先生の特攻に望美ちゃんもついて行くってそういうことなの? 他の八葉は? 
 うーわー。本気で清盛と、二人だけで戦うんだ。
 譲なんてなー、あれだけ啖呵きっといて、清盛との戦闘には参加しなかったんだぞー。清盛倒したのは、白龍とヒノエくんなんだぞー。
 先生ほんとに強いんだな。他の八葉いらないじゃん? 
 それとも、もしかして、譲が特殊なの? 他の八葉も二人だけでボス戦とかそういう展開なの?
 まあ、神子強いもんね。一人で八葉皆殺しに出来るくらい強いもんね。二人でボス戦とかまったく問題ないんだろうね。実際、問題なかったよ。先生と二人だけであっさり清盛撃破。
 これ乙女ゲーじゃなくて、バトルものだっけ?

 いえ、乙女ゲーでした。ええ、もう骨の髄まで乙女ゲーでした。

「そばにきてくれないか」

 ぐは。石田さん、最後の最後で本領発揮ですか。清盛に続いて私が打ち倒されました。
 清盛を倒して、戦が終わって、しかも神子も自分も生きている。
 それがすぐには信じられなくて、呆然としている先生の気持ちを、その「そばに」のとこの息の抜き方だけで表現しますか。
 さんざん文句言った先生ルートですが、このセリフ一つが聞けただけで、先生ルートをクリアした甲斐があったとそう言わしめる価値のある一言でした。そして、そんな一言が存在するということが、このゲームが乙女ゲーであるという何よりの証であると言えましょう。

 EDスチルは現代EDでした。
 34歳と17歳は、現代だとかなりアレだと思うけど、愛があれば大丈夫ですね。
 先生のモノローグは、聞いているのがちょっと恥ずかしかったです。口元がひくひくするんですが、譲のモノローグを聞いているときとは違う笑みが浮かびます。
 とりあえず、先生がものすごく浮かれてはしゃいでおいでなのだと、それはよくわかりました。先生、可愛いな。

 ともかく予定外の先生ルートクリアでしたが、ここから秋の京都に飛んで、朔ちゃんルートに行けそうだし、結果的によかったのかもしれません。

 次は次こそ朔ちゃんですよ。多分。

目次に戻る遙か部屋に戻るトップに戻る